T3インスタンスの性能をWordPress環境で確認してみた
はじめに
AWSチームのすずきです。
東京リージョンで利用可能となった「T3」インスタンス。 Wordpress(PHP7)の実行環境として導入し、「T2」インスタンスと比較する機会がありましたので、 紹介させていただきます。
環境
- リージョン: AWS東京リージョン
- アベイラビリティーゾーン: ap-northeast-1a
- OS: AmazonLinux 2018.03
- Linux version 4.14.62-65.117.amzn1.x86_64
- AMI: aws-elasticbeanstalk-amzn-2018.03.0.x86_64-php70-hvm-201808172110 (ami-07202bf6c4a45e244)
構成図
t3.small 2台、t2.small 2台、4台のEC2インスタンスを用意し、同一ELB配下にアタッチ。Cloudwatchのメトリックを利用した比較を行いました。
結果
Cloudwatch(EC2)
ネットワーク(イン/アウト)
4台のEC2、ELBにより均等な負荷分散がされている事を確認できました。
CPU使用率
- 「t3.small」のCPU使用率、「t2.small」と比較し半減した事を確認できました。
- 「t3.small」のvCPUは2、「t2.small」の1から増加した効果と推測されます。
CPUクレジット使用状況
- 「t3.small」のCPUクレジット消費、「t2.small」と比較し2〜3割程度少ない事が確認出来ました。
- 「T3」はCPUコア性能が反映されていると推測されます。
CPUクレジット残高
- 1時間あたり多くのCPUクレジットを受け取る「t3.small」、起動後数時間で初期クレジット(30)を受け取る「t2.small」を上回る事が確認できました。
パフォーマンスインサイト(Aurora)
今回利用したDBはパフォーマンスインサイトを有効化したAuroraでしたので、DB負荷の変化を確認してみました。
「T3」は「T2」より若干ですがDBの専有時間(SAA)が短縮していた事が確認できました。
「T3」と「T2」の差異があった項目は「io/socket/sql/client_connection」。
「T3」で利用出来るようになった最大5 Gigabitまでバーストするネットワーク性能と、NITRO世代の仮想化に伴うオーバーヘッドの改善効果が現れていると思われます。
コスト比較
「T3」は同等スペックの「T2」と比較し10%安いオンデマンド料金が設定されています。
1時間あたりに受け取るCPUクレジットが増量されていた「t3.nano」「t3.micro」「t3.small」 は、 多くのバーストするCPU性能をコストパフォーマンスよく利用できる事が期待出来ます。
インスタンスタイプ | 1 時間あたりに受け取る CPU クレジット | 1時間料金(USD) | 1CPUクレジット費用(USD) |
---|---|---|---|
t3.nano | 6 | 0.0068 | 0.0011 |
t3.micro | 12 | 0.0136 | 0.0011 |
t3.small | 24 | 0.0272 | 0.0011 |
t3.medium | 24 | 0.0544 | 0.0023 |
t3.large | 36 | 0.1088 | 0.0030 |
t3.xlarge | 96 | 0.2176 | 0.0023 |
t3.2xlarge | 192 | 0.4352 | 0.0023 |
t2.nano | 3 | 0.0076 | 0.0025 |
t2.micro | 6 | 0.0152 | 0.0025 |
t2.small | 12 | 0.0304 | 0.0025 |
t2.medium | 24 | 0.0608 | 0.0025 |
t2.large | 36 | 0.1216 | 0.0034 |
t2.xlarge | 54 | 0.2432 | 0.0045 |
t2.2xlarge | 81.6 | 0.4864 | 0.0060 |
- 1時間料金は、東京リージョンの Linux/UNIX 1時間料金
まとめ
今回の比較に利用したアプリケーション環境(PHP7)では、「t3.small」の採用により、コストパフォーマンスの改善が期待できる結果が得られました。
長時間連続した負荷がかからないWebサーバや、開発環境などでは「T3」のバースト性能がより効果的に利用できると思われます。 NITRO世代に対応したマシンイメージ(AMI)が利用できる場合には是非お試しください。